ミカパパ@ミカエル家です。
2020年にミカエルが産まれて、ミカエルの成長を日々見守っています。ミカエルの成長を見守る中で得た知識を共有していきたいと思います。
新生児用のチャイルドシートを使ってきて、ふと思うこと。
『チャイルドシートって、いつから前向きにするんだろう?』
『そもそも、なんで後ろ向き?』
など、考えるといろいろ疑問が浮かんできました。
チャイルドシートの設置する向きについて、法律観点からも含めて紹介していきます。
すぐに各チャイルドシートの前向き設置可能時期を知りたい方は、下記のリンクを用いてください。
アップリカのチャイルドシートはこちら
コンビのチャイルドシートはこちら
エールベベのチャイルドシートはこちら
チャイルドシートの前向き/後ろ向きは安全基準で決まる
チャイルドシートの向きは、採用している安全基準で決まります。
安全基準ってなに?
チャイルドシートを買うときに、R44やR129という文字を見なかった?
見たような・・・
思い出せないなら、説明書を確認だね。
最短で前向きにできるまとめは下の表になります。
安全基準 | 月齢の目安 | 体の目安 |
---|---|---|
R44 | 1歳ごろ | 9kg以上 |
R129 | 15ヶ月以上 | 76cm以上 |
正確には説明書をご確認ください。
各チャイルドシートの時期をまとめましたので、すぐに知りたい方はこちらになります。
チャイルドシートの種類
チャイルドシートには大きく3種類あります。
特にベビーシートの時期が安全基準で決められています。
チャイルドシートの種類を簡単に紹介させていただきます。
ベビーシート(新生児〜1歳ごろ)
ベビーシートは主に0歳〜1歳ごろに利用するチャイルドシートです。
乳幼児は首がすわっていないので、寝かせるタイプです。
ベビーシートの多くは後ろ向きですが、一部横向きもあります。
チャイルドシート(1歳〜4歳ごろ)
チャイルドシートは1歳〜4歳ごろ使うシートです。
首が座り始めて、自分が座れるようになって使い始める目安です。
チャイルドシートは主に前向きに利用するシートが多いです。
ジュニアシート(4歳〜10歳ごろ)
ジュニアシートは4歳〜10歳ごろに使うシートです。
背もたれやヘッドレストがついたタイプ、もしくは下に敷いて座高を上げるタイプなどあります。
一般的な自動車は135cm以上の方を対象に作られています。
そのため、135cm以下の子供を支えるために利用するシートです。
なぜチャイルドシートを前向きではなく、後ろ向きに設置するのか
新生児から使えるベビーシートは、なぜ進行方向とは反対向きの後ろ向きに設置するのか。
それは、万が一事故が起きたときに赤ちゃんへの負担を小さくするために後ろ向きに着座します。
新生児は首が座ってなかったり、首が座っていても体はまだまだ成長過程です。もし衝突した場合に体は固定されているが、衝撃で頭が前に行き、首に大きな衝撃がかかります。それを後ろ向きにすることで、体全体で衝撃を吸収することができます。
大人でも事故でむち打ちになるくらいだから、
体の弱い赤ちゃんを守るために後ろ向きが重要なんだね。
本当に後ろ向きが安全なの?
たとえば、前向きと後ろ向きを兼用できるタイプのチャイルドシートで、チャイルドシートアセスメントの評価を比較してみよう。
乳児用が後ろ向き、幼児用が前向きに設置した状態。優、良、普通の順番で高い安全性評価になります。
見ていただくとわかる通り、乳児用(後ろ向き)は優の数が非常に多く、幼児用(前向き)は普が多いです。
チャイルドシートアセスメントの外部評価からもわかるように、後ろ向きでチャイルドシートを設置することは安全性が高いです。
チャイルドシートアセスメントについて、こちらのページで解説しています。
詳細はチャイルドシートアセスメントってなに?をご覧ください。
チャイルドシートの前向きタイミングはなぜ安全基準で決まるのか?
チャイルドシートの安全基準に合わせることは法律で決められています。
チャイルドシートの法律については、こちらの記事で解説しています。
詳細は【チャイルドシート】法律で着用が義務づけられているをご覧くください。
法律の中の決められている規定を満足している証明として、チャイルドシートにはEマークを付いています。
Eマークを取得するときに、どのような座り方で安全基準を満足したかで、前向きにしてもよい時期がきまります。
チャイルドシートの安全基準を満足した方法で、前向きのタイミングが決まるんだね。そもそもチャイルドシートの安全基準ってなんだろう?
チャイルドシートの安全基準は国連欧州委員会(ECE)が定める基準が世界のスタンダードであり、日本もこの安全基準を採用しています。
ホームページ等の表記の中で、 コンビ社は「UN R44/04 適合商品」、 アップリカ社は「UN基準(UN-R44/04)適合」、 カーメイト社は「UN(ECE)R44 合格品」と最近は表示しています。これがチャイルドシートの安全基準を満たしていますという表記になります。
UNはUnited Nationという国連の略称になります。R44というのが、44番目に発行された法規ということなります。UN-R129というのは129番目に発行された法規で、さらに新しい法規ということになります。
チャイルドシートの安全基準はR44の従来基準とR129という新しい基準があるんだね。
R129については、こちらの記事で詳しく解説しています。
詳細はチャイルドシートの安全基準 R129(i-Size)ってなに?をご覧ください。
チャイルドシートの安全基準(R44とR129の違い)
R44とR129の比較
従来の安全基準R44に対して、R129との違いを一覧にまとめました。
安全基準 | 従来基準 R44 | 新基準 R129 |
前向きにできる時期 | 12ヶ月頃以降 (体重9kg以上) | 15ヶ月頃以降 (身長71cm以上) |
使用条件 | 体重にあわせる | 身長にあわせる |
衝突評価 | 前方 後方 | 前方 後方 側面 |
判定基準 | (前方、後方) 頭部の変位量 | (前方、後方) 頭部変位量 頭部、胸部の加速度 腹部への圧力 (側面) 頭部変位量 頭部加速度 |
固定方法 | ISOFIX シートベルト | ISOFIX |
チャイルドシートを前向きにできるのは、めやすとしてR44(従来基準)では12ヶ月以降。R129(新基準)では15ヶ月以降だね。
チャイルドシートの前向きを禁止する内容(R44)
UN-R44の中で前向きを禁止している項目が以下の法規になります。
6.1.10. グループ 0 及び 0+の年少者用補助乗車装置は前向きに使用しないものとする。
UN-R44-04-S11 6.1.10
グループ 0 及び グループ 0+とは具体的には以下の法規になります。
2.1.1. 年少者用補助乗車装置は 5 つの「質量グループ」に分類される。
UN-R44-04-S11 2.1.1
2.1.1.1. グループ 0 − 10 kg 未満の質量の幼児用
2.1.1.2. グループ 0+ − 13 kg 未満の質量の幼児用
2.1.1.3. グループ I − 9 kg から 18 kg までの質量の幼児用
2.1.1.4. グループ II − 15 kg から 25 kg までの質量の幼児用
2.1.1.5. グループ III − 22 kg から 36 kg までの質量の幼
0kgから使えるグループということで、新生児は後ろ向きにしなさいということになります。グループⅠから前向きができる場合があるということで、前向きにできるのは最短でも9kg以上(Ⅰ歳頃以降)となります。
チャイルドシートの前向きを禁止する内容(R129)
UN-R129の中で前向きを禁止している項目が以下の法規になります。
6.1.2.3. 月齢15カ月未満の幼児に対しては、横向き又は後向きの年少者用補助乗車 装置のみを使用するものとする。
すなわち、
(a) 月齢15カ月までの幼児用に設計される改良型年少者用補助乗車装置 は、後向きで、少なくとも身長83 cmの幼児を収容するものとする。
(b) 前向きの改良型年少者用補助乗車装置は、身長71 cm未満の幼児を収容 するようには設計しないものとする。
(c) 後向きの構成になっているコンバーチブル型の座席は、身長83 cmまで の幼児を収容できるものとする。これは、身長が83 cmを超える幼児を除外しないものとする。 後向きの改良型年少者用補助乗車装置の使用は、あらゆる月齢の幼児に適用してよい。
UN-R129-01-S00 6.1.2.3
UN-R129では具体的に15ヶ月という記載があり、71cm以下を対象にチャイルドシートを設計しないように記載があります。アップリカ、コンビの取り扱い説明書には76cm以上の記載があるのですが、ミカパパは76cmに該当する文言はみつけられませんでした。
前向き以外の注目すべきR44とR129の違い
前向き設置以外に注目したい内容は以下になります。
- 前後衝突に加えて側面衝突を追加
- 判定基準に頭部・胸部の加速度と腹部への圧力を追加
- 固定方法からISOFIXが必須となる
やはり、安全の観点での指標が多く追加されています。よく言われている側面衝突はありますが、前後衝突に対しても、判断基準に頭部変位量しかなかったのですが、ダミー人形にセンサーを追加して、頭部・胸部の加速度、腹部への圧力を追加しています。
判断基準に対する対策も、ハードの違いから対策方法が見受けられて、この部品はR129のための対応なのかな?と思いながら見てると少し面白いです。
R129はダミー人形にセンサーを追加して、判断基準も増え、安全面に対する基準はかなり厳しくなってますね。
チャイルドシートを前向きに設置する場合の注意点
チャイルドシートを前向きに設置する場合、助手席に設置しないでください。
助手席にはエアバッグが設置されています。
もし事故が起きてエアバッグが作動した場合、エアバッグの衝撃により赤ちゃんを圧迫してしまう可能性があるため、助手席にはチャイルドシートを設置しないでください。
各メーカーのチャイルドシートはいつ前向きにできるか調査結果
R44もしくはR129のどちらの安全基準を採用しているかで時期が異なりますが、アップリカ・コンビそれぞれのメーカーの新生児から使えるチャイルドシートについて、前向きに出来る時期をまとめました。
アップリカのチャイルドシート一覧
商品名 (リンクは取扱説明書) | 前向きに 出来る時期 | 必須 確認項目 | 参考 確認項目 | 安全基準 |
フラディア グロウ | 1歳ごろ | 9kg以上 | 70cm以上 | R44/04 |
フラディア グロウ ISOFIX | 1歳ごろ | 9kg以上 | 70cm以上 | R44/04 |
フラディア グロウ ISOFIX 360° セーフティー | 15ヶ月以上 | 76cm以上 | 10kg以上 | R129/02 |
フラディア グロウ ISOFIX 360° セーフティー プレミアム | 15ヶ月以上 | 76cm以上 | 10kg以上 | R129/02 |
ディアターン プラス | 1歳ごろ | 9kg以上 | 70cm以上 | R44/04 |
コンビのチャイルドシート一覧
商品名 (リンクは取扱説明書) | 前向きに 出来る時期 | 必須 確認項目 | 参考 確認項目 | 安全基準 |
THE S ISOFIX | 15ヶ月以上 | 76cm以上 | ー | R129/03 |
THE S AIR ISOFIX | 15ヶ月以上 | 76cm以上 | ー | R129/03 |
プロガード ISOFIX | 15ヶ月ごろ | 76cm以上 | ー | R129/02 |
ウィゴーロング ムーバー | 1歳ごろ | 9kg以上 | 75cm以上 | R44/04 |
ウィゴーロング サイドプロテクション | 1歳ごろ | 9kg以上 | 75cm以上 | R44/04 |
ウイゴーグランデ | 1歳ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
ミニマグランデ | 1歳ごろ | 9kg以上 | 75cm以上 | R44/04 |
クルムーブ エッグショック PJ | 1歳ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
クルムーブ エッグショック S | 1歳ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
クルムーブスマート | 1歳ごろ | 9kg以上 | 75cm以上 | R44/04 |
クルムーブ スマート ISOFIX | 1歳ごろ | 9kg以上 | 75cm以上 | R44/04 |
エールベベのチャイルドシート一覧
商品名 | 前向きに 出来る時期 | 必須 確認項目 | 参考 確認項目 | 安全基準 |
クルット シェリール | 9ヶ月〜1歳半ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
クルット 6i | 9ヶ月〜1歳半ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
クルット 5i / 5s | 9ヶ月〜1歳半ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
クルット 5 Oui | 9ヶ月〜1歳半ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
クルット 4i / 4s | 9ヶ月〜1歳半ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
クルット i / 360ターン ISO | 9ヶ月〜1歳半ごろ | 9kg以上 | ー | R44/04 |
クルット NT2 | 9ヶ月ごろ | 9kg以上 | 75cm以上 | R44/04 |
まとめ:チャイルドシートはいつから前向きにできるのか
チャイルドシートの前向きにできるのは、いつからか?というテーマでまとめてました。前向きにできる時期は安全基準のR44に準拠しているか、R129に準拠しているかで決まっています。
また、R129に安全基準がかわり、かなり安全基準が強化されていることがわかりました。
チャイルドシートを前向きに設置できる時期は、R44に準拠しているチャイルドシートは9kg以上から、R129に対応しているのは15ヶ月以降からになります。
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